フォト・トラベル
竜門の石屈の代表作、奉先寺の盧舎那仏。東大寺の大仏のモデルという説も。
中国4000年の歴史の1/10、つまり449年の北魏から400年におよぶ仏教信仰の遺産が、時代を超えてなお生き生きと私たちに迫ってきます。
中国河南省洛陽市内から南へ13キロ、ここは中国三大石屈のひとつ「竜門の石屈」です。石屈造営の歴史は大同から洛陽に遷都した北魏王朝ですが、以来、西魏、唐、宋王朝まで王朝の興亡が続くなか、竜門山では、断続的とはいえじつに営々と石屈や仏像彫刻が続けられたようです。
全体の1/3が北魏、2/3が唐代に造られたもので、現存する洞窟の数はなんと1352ヵ所、仏像の数にいたっては大小合わせて10万体ともいわれる中国の一大仏教文化遺産です。
竜門石屈の代表作は奉先寺の盧舎那仏(るしゃなぶつ)。これは唐代の女帝武則天の姿を写したといわれ、端正な顔立ちと品格は、訪れる人に深い感銘を与えています。
一説には、日本の東大寺の大仏はこの盧舎那仏を念頭において造られたのではないかともいわれ、日本の仏教との密接な関係をあらためて思い知らされる感があります。また、同じ石屈の岩壁から直接彫り出された仁王像は竜門最大のものです。
一方、彫刻の数が多いことで人々を驚嘆させるのは万仏洞です。洞穴の両側の岩肌に1万5000体もの小仏が彫り出されており、北魏末期の作品らしい優稚さをかもしだしています。
さて第1回のフォト・トラベル。写真は、時空を超え、仏のこころをあなたの心に上手に写し出せたでしょうか。
茉莉花VOL.02 新年号より
Copyright (C) 2009 仏教文化情報センター「コア」. All Rights Reserved.
本サイト「真宗コア」に掲載の記事・写真などの無断転載を禁止します。著作権は仏教文化情報センター「コア」またはその情報提供者に属します。