法事当日を迎えるまでに、必ずすませておかねばならないことは次の通りです。
法事を勤める場所は多くの場合、(1)お寺、(2)自宅、(3)ホテル、(4)葬儀会館の法事室です。いずれでするか決めます。
次いで、おときをする場所を決めます。(おときとは、仏事で振る舞う食事のこと)
(1)(2)の場合、おときを他の場所でするのなら、料理屋を予約しておきます。同じ場所(自宅・お寺)でおときをするときは、仕出し料理屋に料理などを当日、仕出ししてもらうよう依頼しておきます。なお、おときをお寺でするときは、当日お寺の施設が使えるか確認し、借用を依頼しておきます。
お寺によっては、門徒の使用は無料ということもありますが、門信徒会などで使用料を決めていることもあるので、金額を聞いておきましょう。
(3)(4)の場合は、同じ施設内の部屋や料理屋で、おときをすることが多いようです。
通常、祥月命日の前後で行います。日時の候補を3~4決めた上で、お寺に連絡し、法事の依頼をします。希望の日時・場所を伝えて、スケジュールの調整をします。あくまで、お寺の予定を優先させます。
最近は休日に勤められることが多いので、お寺さんの予定が集中しがちです。特に昼前の時間帯を希望するなら、早めに予約をするようにしましょう。2~3ヶ月前に予約するのが、一般的なようです。
また、お寺さんにおときに出席してもらう場合は、やはり事前にお願いしておきます。地域によっては、お寺さんが必ずおときにつくのが習慣となっている場合もあります。
出席を依頼する人に、法事の案内をします。法事を営む故人の名前、法事の種類、日時、場所、服装などを知らせます。少人数のときは、電話でもよいでしょうが、人数の多いときは、なるべく手紙で知らせます。最低1~2ヶ月前に案内しましょう。
おときの料理や茶の子の手配の都合もありますから、人数を確認するために、出欠の返信ハガキも同封します。
出席人数がはっきりしたら、茶の子を準備します。1家族に1つが普通です。繊維類、陶器、漆器、木製品、金物、菓子などの食物がよく選ばれています。仏書にすることもできますので、お寺さんに相談してみましょう。
業者には、法事の前に、法事を行う場所まで届けてもらうように依頼しておきます。
最近では、法事がすんでから後に、出席者の自宅に茶の子を配送する場合もありますが、当日の法事のおときの席などで、その旨断っておきましょう。
おときには(1)料理店に出向く場合、(2)自宅やお寺に仕出しを頼む場合、(3)自宅で家族によって準備する場合があります。
それぞれに合わせて、準備、手配をしておきましょう。
通常のお参りに使うものは全て必要です。ロウソク、線香、マッチなどをチェックしておきます。また、焼香をしますから、焼香用の香炉を準備し、抹香およびタネ火用の炭も用意します。
前日には、仏間をきれいに掃除し、仏壇をきれいに荘厳します。お花も新しいものに替えましょう。お供えものも用意します。
打敷があれば、所定の場所に懸けます。
袋を用意し、お金を入れておきます。
当日差し出すときは、お布施を乗せて差し出すお盆が必要です。ふくさでも構いません。 お布施は、事前に(または、法事の翌日に)お寺に出向いて、お供えするのが本当です。最近では、法事当日に儀式が終了してから差し出すのが普通になっています。
お布施は僧侶への報酬ではなく、仏さまへのお供えだという意義から言えば、当日お寺さんに手渡す行為は、横着なことなのです。余裕のある場合は、法事の1~3日前ぐらいに、お寺に直接伺いましょう。
礼服である必要はありませんが、黒っぽいスタイル(スーツ、ワンピース等。男性はネクタイ着用)が一般的です。
黒っぽいものがなければ、地味めな服装に式章を着ければ何の問題もありません。
念珠は必ず用意します。
自宅で法事を行う場合、出席者に出すお茶とお茶菓子の準備をしておきます。接待をする係りを決めておくと良いでしょう。
法事は一つの文化です。実際に参加しないと、その全てはわかりません。
子どもは騒ぐので、参加させないということを言う人がありますが、縁をつなぐために、子どもにも絶対に参加させましょう。
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