西教寺の仏前結婚式 広島県比婆郡高野町
中国山地の雪深い町のお寺の坊守を門徒が総出で迎えた。昭和十六年九月、西教寺前住職の仏前結婚武が、同寺の本堂で行われた時である。その目、お寺は「おらが町のお寺の新しい坊守」誕生の慶びに包まれた。 新婦は挙式の前目、兵庫県からSLに乗って三次市に到着。翌目、花嫁衣裳を着けた新婦は、門徒総代の出迎えを受けて、紅葉が始まった初秋の山道約四十㎞を自動車に揺られながら嫁いだという。 結婚式は、美しい仏花でお飾りされた本堂で、司婚者から念珠が授与され、門徒と共に、念仏生活にいそしむことをご本尊の前で誓い合った。披露宴は、新しい坊守を迎えた門徒の慶びで賑わい、深夜まで酒宴が続いたそうだ。 ご本尊の前で新しい二人の入生の出発を誓い合うのが仏前結婚式。近年は、バックにエレクトーンなどで仏教讃歌が流され、おごそかな雰囲気の中でとリ行われる。列席したみんなで、二人の新しい門出を祝うにふさわしいものである。 茉莉花VOL.13より(平成5年)
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