浄土寺の「コウヤマキ」
県指定の天然記念物(昭和56年指定)で樹齢400年と椎定されたが、平成3年9月襲米の台風19号により倒れた。伝記によると浄土寺は「元徳の昔、志路原三本松に妖怪ありて荒れ狂い、人々は恐れ不安の暮らしをしていた。この析、了恩という高憎来りて一千日間の読経をすれば、鎖まリ無事平穏の生活にもどった。人々は高徳に帰依し、正慶元年(1332)堂宇を建立し住まわしめた。憎了恩は備後田尾道浄土寺の憎侶で、29入の比丘衆とともに同時に多宝塔を建て、前住職釈定証法印の三回忌の追悼法要をなし、出でて諸国行脚の途上、ここに寺を開基したと伝えられる。(名田富太郎著「故郷の五十年」の中より)」 憎了恩は真言宗の憎侶であったので寺開基の記念樹として真言宗の本山高野山に群生しているコウヤマキを植えたのではないかと推察される。(元和2年真宗に改宗し今日に至る) そのコウヤマキは、昔、落雷により半分枯死し傾斜したが、寺を遊び場としている悪童たちにとっては格好の木登り練習の台木であったことを懐かしい思い出としている。また、俳句同好会の誌名になったこともある。 それほどコウヤマキは、茅葺屋根の三門とともに浄土寺の名物として親しまれていたのである。 茉莉花VOL.11より茉莉花VOL..10より(平成5年)
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