花束遠野 玲雅（山口県）
気がつくと
あなたの瞳に わたしの姿がありました
そのとき わたしののどはカラカラで
景色は涙でぼやけていました
祈る人々 尽きてしまわぬようにと
置いてゆかれた 手の中の光
微笑みたくさん ありました
小さなにこにこ集まって
いろんな笑顔で 歌っています
渇いた地面を うるおすために
水が欲しいと 両手を伸ばす
お先にどうぞと 背中を押された
もらった水は たった一滴だったけど
こころであふれて ほほに流れた
わたしのことを思うとき
あなたは自分のことを忘れてる
忘れたことも 忘れるまでに
わたしはあなたをもらってる
あなたの時間をもらってる
笑顔で奏でる歌声と
こころのゆりかご 良い夢を
おやすみなさいと 触れた指先
あったかい
花束を 今日はあなたに差し上げたくて
朝からずっと 笑顔の練習
小さなにこにこ 今も手の中
あなたの姿が わたしの瞳に映ったら
微笑み添えて 駆け出そう
